科学の世界 3
自由な社会では、倫理的問題の対応への仕方の任意性と多様性は自由の基本です。
しかし、最も無責任なのは、これらの問題に直面するのを全く拒否するか、あるいはそれ以上考える事なく、「科学」または「技術」という両極端のどちらかに落ち込んでしまうことでしょう。
科学における社会的責任の問題が明示された以上、かんばしくない問題が生じたとしても、急いでそれをどこかに追いやる事はもはや出来ません。
・・・このような倫理的ジレンマと個人の忠誠の相克の重要性はなかなか完全には認識されません。
また、それらが実際に起こってく状況を、研究開発(R&D)システムの内部構造の詳細に立ち入る事なく、また、職業としての研究にともなう祉会的責任の複雑さに立ち入る事なく、予め想定しておくことはできません。
将来大学に籍をおく科学者になるかもしれない人も、将来技術者になるかもしれない人も、一般人と同様、知的、制度的、職業的、情緒的背景の信頼できる描写を大いに必要とします。
ロバート・オッペンハイマーやアンドレ・サハロフの個人的な試練としての良心の現代的ドラマは、実際にこれらを背景として演じられました。