科学の世界
わたしは、知的世界の領域にあって、自分自身の必要にだけこたえる「科学」と、実際的な世界で他人の要求にだけこたえる「技術」というニ分法は全く誤りだと思います。
この幻想は、大学での研究を、技術の発展とは全く異なるものとして扱うことによって保たれています。
しかし、研究開発(R&D)の世界では、「科学」と「技術」の協会は事実上消えてしまったというのが事実です。
現代の学者は、過去の学者に比べて、これまでになかったほど深く、彼らの発見の応用に関係しています。
研究に必要と考える設備を受け入れることによって、設備を買う金が流れ出る機関にある程度従属するのは避けられないでしょう。
社会的、経済的、工業的ないし軍事的政策に従って分配される政府の資金は、これらの政策の最終目標を大学の実験室、セミナー室や研究室に持ち込みます。
この種の目標はそれ自体は全く妥当なものかもしれません。
例えば、戦時中には愛国心が最も大切な美徳になるのが普通です。
しかし、例え研究成果というものは、その利用法を予測出来ない「中立」な知識であると言ってもこの種の日標を支持することに伴う責任を免れる事は出来ません。